2020-05-07から1日間の記事一覧
第十二篇 誤れる裁判 第一 運命の日 筆者《わたし》の書いた事件の翌日午前十時、当町の地方裁判所が開廷され、ドミートリイ・カラマーゾフの公判が始まった。 前もってしっかり念をおしておく。法廷で起った出来事を、残らず諸君に物語ることは、とうてい不…
告げたと、イヴァンに話した。『わたしがね、サモワールをかたづけにあの人の部屋へ入ると、あの人は壁の釘にぶら下ってるじゃありませんか』とマリヤは言った。『警察へ知らせましたか?』というアリョーシャの問いに対して、彼女は、まだ誰にも知らせない…