『カラマーゾフの兄弟』エピローグ
がら立ちどまった。ミーチャはっと立ちあがった。その顔には驚愕の色が現われていた。彼はさっと蒼くなったが、すぐにおずおずした、哀願するような微笑が、唇の上に閃めいた。と思うと、彼はいきなりわれを忘れて、カーチャのほうへ両手を伸ばした。それを…
第十三篇 エピローグ 第一 ミーチャ救済の計画 ミーチャの公判後、五日目の早朝まだ九時ごろに、アリョーシャはカチェリーナを訪れた。それは彼ら二人にとって重要な一つの事件について、最後の相談をしたうえ、ある依頼をはたすためであった。彼女は、いつ…