京都アニメーション放火殺人事件(京都市伏見区放火殺人事件、2019年07月18日)の資料収集の会

(元・オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会、できるかぎり同時進行)

メモ018 伏見事件について(その2)

アニメの理想郷で起こった悲劇 | Hollywood Reporter

この記事を読んで、思い出したのは以下の言葉である。

〇その人はどういう人かな? (What is he like?)

「同性の一人と親密な関係を樹立できたか」

『サリヴァンの精神科セミナー』(2006年、R・G・クヴァーニス+G・H・パーロフ編、中井久夫訳、みすず書房)の書評(大塚紳一郎氏による) - オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会

伏見事件だけではないが、実行犯がインターネット上でどう行動していたのかは、「その人はどういう人かな?」という問題にとって非常に重要な問題である。極端に言えば、顔面と肉体を人間関係と、画面上だけの人間関係の間に、決定的な断絶はないからである。
1990年代、一般人むけのインターネットが広がりはじめたとき、人類史上最大の情報の宝庫ができると予想された。それはユートピアの予想にも、人々の行動と情報が追跡され管理されるデストピアの予想にもつながった。
しかし伏見事件では、事件から8か月以上たっても、実行犯Aのインターネット上での足跡が追跡できない、という、考えてみればじつに奇妙なことがおきている。また、実行犯Aと親しかった人物(どんな下劣な人でも)も見つかっていない。

痛いニュース(ノ∀`) 」というのは、いわゆる「まとめサイト」で、信頼性をふくめてかなり問題のあるサイトなのだが、一応示してしておく。

[B! 事件] 痛いニュース(ノ∀`) : 【京アニ放火】 青葉容疑者とみられる書き込み「思考盗聴によって京アニに小説の内容を盗まれた」 - ライブドアブログ

上のレポートの執筆者が、インターネットの書きこみについて関心を持っていたことはほぼ確実である。しかし、そのことはレポートに書かれなかった。つまり、捜査関係者にとって未確定情報だった、と判断すべきだろう。結局、「実行犯Aの書きこみ」という情報は間違いだった可能性もある。

ここで一つ、わたしは仮説をたてている。
警察は、実行犯Aの部屋からパソコンをふくめていろいろなものを押収したはずである。
そのなかに、「放火の計画書」はなかったのではないか?
ガソリンがどのぐらい燃えるか、とかそういった情報を調べていなかったのではないだろうか?
また、京都アニメーションの建物の資料なども、持っていなかったのではないか?
そして、京都アニメーションが防災にも力を入れていたことなど、ほとんど知らなかったのではないか?

京アニ社員、危険顧みず避難誘導 放火直後、訓練通り窓開け18人脱出 |社会|地域のニュース|京都新聞

もちろん、現時点では仮説でしかない。しかし、警察が押収物リストのなかから「実行犯の危険性を根拠づけるもの(ヤバイもの)」をほとんど発表しない、というのも意外な話である。
すべての可能性を考えておく必要がある。相模原事件も座間事件も川崎事件もそうである。