京都アニメーション放火殺人事件(京都市伏見区放火殺人事件、2019年07月18日)の資料収集の会

(元・オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会、できるかぎり同時進行)

メモ021 オウム事件の判決文に見る「計画的」という単語

ふと思いついて、オウム事件の判決文で「計画的」という単語がどれだけ使われているか、調べてみた。

計画的 の検索結果 - オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会

ほぼ全員に「計画的」という単語が使われている。ただし、麻原(松本)の判決文で「計画的」という単語が使われているのは1か所だけ。「計画」という単語が使われているのは、64か所あるのに、である。
麻原(松本)の行動は計画的に見える、ということを司法側は認めているわけではない、ということである。
もう一つ、この問題に関連して、林郁夫の地裁判決の以下の部分を引用しておく。

 また、被告人が地下鉄サリン事件の実行役に選ばれた経緯をみると、判示のとおり、村井(秀夫元幹部)が実行役として「科学技術省」所属の四名を提案したのに対し、麻原が被告人をも実行役に加えるように指示したのである。麻原の意図は必ずしも明らかではないが、当時の教団の組織形態、被告人の教団内における活動状況等からして、医療技術を必要とする役割ならばまだしも、サリン撒布の実行役を割り当てられるのは、いささか不自然の感があるうえ、被告人自身にとっても予想外の指示であったことに照らすと、麻原が被告人の信仰心に付け入って被告人を利用したものと認められ、麻原の指示がなければ、被告人が地下鉄サリン事件の実行役にはならなかったということができる。そして、この点についても、その限りにおいて評価すべき事情である。

強調部分は引用者による。
山室惠裁判長のもう一つの功績は、この一文を書いたことだろう。
この問題は、25年たった現在も未解決である。
ひょっとしたら、帝銀事件コルサコフ氏病の問題と似たような事例かもしれない。