(以下、敬称略。原則として、名前はあいうえお順)
1995年3月20日午後3時ころ、第六サティアン1階の麻原(松本)の部屋に、村井秀夫、豊田亨、広瀬健一、横山真人が報告にきた。
このとき麻原(松本)は「シヴァ大神とグル、真理勝者方にポアされてよかった」などと言った。
(第8巻収録の証言には、この場面の時刻について書かれていない)
1999年9月30日、横山真人被告に対する判決の要旨に収録、第8巻P334
1995年3月20日午後4時ころ、第六サティアン1階の麻原(松本)の部屋に、新実智光、杉本繁郎、林泰男が報告にきた。このとき麻原(松本)は、「君たちはこれから瞑想しなければいけない。今から言う詞章を唱えなさい。グルとシヴァ大神とすべての真理勝者方に祝福され、ポアされてよかったね。これを一万回、唱えなさい」などと言った。
(第8巻収録の証言には、この場面の時刻について書かれていない)
1998年12月7日、林泰男、林泰男第15回公判、林泰男への弁護側尋問、第8巻P141
○引用
第8巻
P141
弁護側の質問にそう答えたのは、地下鉄サリン事件の後、「教祖」松本智津夫(麻原彰晃)被告から「ポアされてよかったね」というそれまでに聞いたことのないマントラ(詞章)を、一万回唱えるよう言い渡されたときに感じた抵抗を思い出してのことだという。「多くの被害者がいることを考えずに、マントラを唱えていたこと自体、不遜だった、と今は思う」
P311-312
(二)被告人が捜査段階において本件について自白した事実
被告人は、捜査段階において、本件の各犯行状況について一応供述したものの、松本の関与状況、各犯行の動機、さらには地下鉄サリン殺人等事件の犯行後、松本から伝授されたマントラの内容を秘匿していた上、本件の各犯行の背景となった「ヴァジラヤーナの教義」の内容等についても供述を拒否するなど、犯行の主要かつ核心部分について秘匿していたものであり、被告人が真摯な態度で本件の全容を供述していたとは認め難いから、被告人が本件各犯行の状況を供述したことをもって、被告人の量刑において特に有利に斟酌すべき特段の事由とみるのは相当ではない。
P334
さらに、被告人は、犯行を終えた後、他の実行役とともに松本の元に報告に赴き、「偉大なるグル、シヴァ大神、すべての真理勝者方にポアされてよかった」旨のマントラを唱えるよう指示され、死者の冥福を祈るつもりで繰り返し唱えたというが、誠に独善的であって、「ポアされてよかった」などという一節は、被害者を愚弄するものである。
○補足
北村浩一に対して検察官が、「君は日ごろ、何、考えてるんだ、何も考えていないのか」と怒り出した(P155)、という場面がある。