京都アニメーション放火殺人事件(京都市伏見区放火殺人事件、2019年07月18日)の資料収集の会

(元・オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会、できるかぎり同時進行)

ちゅうとはんぱな覚悟で「金がすべて」と断言する人は、最悪の想定ができない――堀江貴文氏の長野県4人殺害事件についてのコメント批判

福本伸行マンガの鷲巣や兵頭などの「極悪人」ならばともかく、ちゅうとはんぱな覚悟で「金がすべて」と断言する人は、たいてい悪人としてもちゅうとはんぱで、最悪の想定ができない。まあ、自分がちゅうとはんぱだと思っていないからああなるのだろうが……。

長野立てこもり事件について、私が思うことをお話しします - YouTube
「田舎の長男って最悪」「逃げろ!」ホリエモン 長野県立てこもり事件への“メッセージ”に集まる共感(女性自身) - Yahoo!ニュース

「散弾銃ぶち回した長男、いい子だったんだろうね。議長の息子だから、議長の息子っぽくいい子を演じなければいけない。それを31年間やってきて鬱屈した人生を歩んでたわけよ。農家なんか継ぎたくないわけよ」

「(中略)なのに厳格な親に『やれ』と言われて、ワーッとなって最終的に『人生なんか辞めてやる』みたいな感じで、まぁ自殺と一緒だよね。だったら自殺しろよと思いますよ、ホントに。人に迷惑をかけんな、バーカっていう。でも、それぐらい鬱屈してたんだろうね。本当は逃げ出せば良かったんだよ」

アホらしい。よくある俗論を言っているだけだ。
この場合、堀江氏のコメントに感心している人は、最初からある程度の結論、「田舎は閉鎖的でクソそのもの」を決めておいて、それを堀江氏が「言ってくれたから」感心しているだけである。出来レースくさいが、本当の本と運出来レースではないから問題だ。
だいたい、この仮説ではたてこもっているときに母親とおばに危害をくわえなかったり、父親に説得をうけていたりすることが説明できないではないか。なぜそこをつっこまないのか。

こういうちゅうとはんぱな人の問題は、最悪の想定ができていないことだ。事件の第三者は自己の防犯訓練のためにも、最悪の想定をすべきなのに、俗論で頭でいっぱいだと、ろくなことにならない。

わたしは、今回の事件についてある程度の想定をした。以下に書くことにする。もちろん、これは情報不足な状態で行った想定であり、そのことをわたしはよくわかっている。以下のアイデアを持って行く人は、そのことをよく考えておいてほしい。考えないロクデナシはうんざりするほどたくさんいるが……。

1、大学で何かあったらしい。かつ、「ぼっちとバカにされた」という妄想が10年以上ずっと続いている。つまり、「ぼっち」関係で何か重大なトラブルがあった可能性が高い。どうも両親ともそのことを正確に理解していないらしいが。何だろう、2010年あたりに発病したらしい。情報商材か下品だが「イベサー」「ヤリサー」かなにかの詐欺で食い物にされたのではないか。大学進学当時、実家は金持ちだし、カモあつかいされそうな状態であった可能性がある。性がらみのトラブルもあったのかもしれない。
2、事件前の1年ぐらい、猟銃をどのぐらいの頻度でつかっていたかわからない。そのこと自体ふしぎだが、これをふまえたうえで、どうして家族は猟銃をとりあげなかったのだろうか? たぶん、家の中で何か重大な事がおきていた。刃物をふりまわしてたか? 機能不全家族では凶器をちらつかせたりふりまわしたりすることは珍しくないらしい。また、機能不全家族では暴君となった家族の一員が凶器をちらつかせなくとも、他の家族が判断力が低下して刃物や火種(タバコや灯油など)を放置することがめずらしくないらしい。これ以上は判断できない。
3、4人殺害の時点と、たてこもり中の加害者の人物像が、極端に言うと、別人にすらみえる。もしかして、問題のある薬を摂取している? 報道をみるかぎり、精神科未受診のようだ。まさか、精神病関連の薬を診断なしで購入して飲むか、飲ませるかしていたのではないか? いやまて、精神病関連の薬はよく知らないがダウン系の薬が多いらしい(だるくて体がうごかなくなる)と聞いたことがある。まさか麻薬? これもこれ以上は判断できない。

兵庫県三田市の監禁事件~無法地帯(逆戻りする社会) | 押川剛 公式ブログ

穿った見方と言われるかもしれないが、障害者手帳の申請手続きは、診断書や写真など申請書類が整えば家族でもできる。昔に比べて少なくなったとは言え、家族の要望に応じて、患者を診察せずに薬を処方する医師もいる。過去に俺が携わったケースでは、無診察投薬を何十年も続けていた家族も少なくなかった。
その中の一つのケースでは、本人が精神科を受診し、処方された薬も効果があったが、その後本人が通院を拒んだために、親は医師に相談の上、自分の名前でカルテを作り、水薬を処方してもらっていた。その薬を本人の飲み物や食事に混ぜて与え、症状を抑えることを何十年と続けた。やがて親も年老いて定期的な通院が難しくなり、本人の症状も悪くなる一方であったことから、俺のところに依頼が来た

『「子供を殺してください」という親たち』第3巻、「吉原清」さんのケースより
(薬物中毒の兄をもつ弟の証言)
「それは……」「薬物乱用のことは後から知ったのですが」「薬物依存症では障害年金が受給できないので診断名は躁うつ病のままにしておこうと……」
(けっこう多いらしい)

4、市議だから、ひょっとして加害者が前になにか犯罪行為をしていたのをもみけしていたのかともおもったのだが、どうもそうでないらしい。今回殺害された警察官2人も、たぶん加害者と会ったこともない。つまり、おたがいに顔なじみではない。その形跡が報道から見られる。ちなみに「特定の警察官が対応することがなしくずしてきにきまっている町中の名物トラブルメーカー」なる存在を「ハコヅメ」で見たことがあるが、そういう例はフィクションではなく、本当に一定数いるらしい。

『「子供を殺してください」という親たち』第11巻、「哲平」さんのケース
(原作者、押川剛氏の証言)
「そんな経験をしたからこそ命をとられないようどうするか」「真剣に考え続けてきた」「そしたらあるとき」「「会った瞬間に人間関係ができれば命までは取られない」って答えが出た」「それからはより徹底して相手や家族のことを知るようになった」「それもまた「人間関係を作る」だからだ」(この話をするすこし前、「哲平」さんに押川氏は保護室で殴られている)「俺だって哲平とは人間関係を作ったつもりでいたけど」「こういうことも起きる」

これでもまだ最悪の想定をしたとはいえないのである。そのことをわたしはわかっているつもりだ。