『カラマーゾフの兄弟』第4篇
わたくしのことを道化よばわりをしたのも、実際もっとも千万なのでございます。さあ、カラマーゾフさん、お伴いたしましょう、そして用件を片づけることといたしましょう……」 彼はアリョーシャの手を取って、部屋の中からすぐ往来へ引っ張り出した。 第七 清…
実際ミーチャの手から『横取り』する気でいるという噂をちらほら耳にしていた。ついこの間までこの噂はアリョーシャにとって、もってのほかの奇怪至極なものに思われた。もっとも、非常に気がかりであった。彼は二人の兄を両方とも愛していたので、二人の間…
第四篇 破裂 第一 フェラポント 朝早くまだ夜の明けないうちに、アリョーシャは呼び起された。長老が目をさましたのである。彼は非常に衰弱を感じていたけれど、床を離れて肘椅子に坐りたいと言いだした。気はまだ確かなものであった。その顔ははなはだしい…