京都アニメーション放火殺人事件(京都市伏見区放火殺人事件、2019年07月18日)の資料収集の会

(元・オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会、できるかぎり同時進行)

『カラマーゾフの兄弟』第10篇

『カラマーゾフの兄弟』P154-161   (『ドストエーフスキイ全集』第13巻(1959年、米川正夫による翻訳、河出書房新社))[挑戦10日目]

たった一冊しかないことや、僕がそれよりほかこの種類のものを何にも読んでないことを知ったらどうだろう? コーリャはふとこう考えついて、思わずぞっとした。) 「どうしてどうして、そんなことはありません。私は笑ってやしません。君が嘘を言われるなん…

『カラマーゾフの兄弟』P142-153   (『ドストエーフスキイ全集』第13巻(1959年、米川正夫による翻訳、河出書房新社))[挑戦9日目]

んと開けて、布ぎれのように青ざめた顔をしながら、何だかひどく飛び出たような大きな目で、じっとコーリャを見つめていた。コーリャもこういう瞬間の病人に与える影響が、どれほどまでに恐ろしく、致命的なものであるかを知っていたら、決してこんなとっぴ…

『カラマーゾフの兄弟』P130-141   (『ドストエーフスキイ全集』第13巻(1959年、米川正夫による翻訳、河出書房新社))[挑戦8日目]

たフロックを着け、短く刈り込んだ頭にはソフトを被っていた。これが非常に彼の風采を上げて、立派な美男子にして見せた。彼の愛らしい顔は、いつも快活そうな色をおびていたが、この快活は一種の静かな落ちつきをおびていた。コーリャが驚いたのは、アリョ…

『カラマーゾフの兄弟』P118-129   (『ドストエーフスキイ全集』第13巻(1959年、米川正夫による翻訳、河出書房新社))[挑戦7日目]

嬉しそうに先に立って駈け出した。コーリャは玄関を通るときに、『ちびさん』の部屋の戸を開けた。二人は前のとおりテーブルに向って腰かけていたが、もう本を読まないで、やっきとなって何やら言い争っていた。この子供たちはさまざまな世の中の問題につい…

『カラマーゾフの兄弟』P111-117   (『ドストエーフスキイ全集』第13巻(1959年、米川正夫による翻訳、河出書房新社))[挑戦6日目]

第十篇 少年の群 第一 コーリャ・クラソートキン 十一月の初旬であった。この町を零下十一度の寒さがおそって、それと同時に薄氷が張り初めた。夜になると、凍てついた地面に、ばさばさした雪が少しばかり降った。すると『身を切るようなから風』がその雪を…