京都アニメーション放火殺人事件(京都市伏見区放火殺人事件、2019年07月18日)の資料収集の会

(元・オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会、できるかぎり同時進行)

メモ027 簡単なメモ インターネット上では、過去の作品のなかで、なにが公開されにくいのか?――谷崎潤一郎と江戸川乱歩を例に

30分で書いた。簡単なメモである。

青空文庫で、公開されにくい作品がある。青空文庫の作業には、ほぼ自由に参加できるので、いったいどういう作品が、公開されにくいのか、わたしは不思議に思っていた。
以下、2016年に著作権が切れた、谷崎潤一郎江戸川乱歩についてざっと調べてみた。

作家別作品リスト:谷崎 潤一郎
作家別作品リスト:江戸川 乱歩


ざっとみて、公開されやすい作品の傾向は
1、多くの本屋で販売されている文庫本に収録されている作品
2、短い作品(文庫本で150ページ以下)

この二つの条件に合う作品は、著作権が公開されてから1年以内に、ほぼすべて公開されている。例をあげると、「春琴抄」「刺青」「瘋癲老人日記」「蘆刈」「陰翳礼讃」「押絵と旅する男」「人間椅子」「赤い部屋」「パノラマ島綺譚」など。

公開されにくい(=校正されにくい)作品の傾向は
1 高い全集本にのみ収録されている
2 ものすごく長い(文庫本で600ページ以上)
3 不明

3の「不明」というのはふざけているのではなく、本当にわからないのである。たとえば、2人とも短いエッセイを多数書いているのだが、ほとんども校正もされていない。2人とも、検閲や発禁の対象になったという、興味深い経歴をもっており、そのことをエッセイに書いているのだが……。
2020年になっても、中谷宇吉郎のエッセイはずっと公開され続けている、ということをつけたしておく。