京都アニメーション放火殺人事件(京都市伏見区放火殺人事件、2019年07月18日)の資料収集の会

(元・オウム真理教事件・資料収集および独立検証の会、できるかぎり同時進行)

1991-01-01から1年間の記事一覧

『ドストエーフスキイ全集9 悪霊 上』(1970年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)のP049-P072

なった。知事は優しい、感じやすい人であったから、非常にばつの悪い思いをした。しかし、ここに面白いことは、ああいう処置を取った以上、彼もニコライが完全な判断力を持っているにもせよ、どんな気ちがいじみたことをやりだすかわからない人間だ、と考え…

『ドストエーフスキイ全集9 悪霊 上』(1970年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)のP025-P048

もう見わけもなにもつかないくらいなありさまにして、浅ましくほうり出しているのを、通りすがりにふと見つけたような時、いったいどんな憂愁と憤懣に胸を掻きむしられることか! なんの、なんの! われわれの時代はこんなふうじゃなかった、われわれの努力…

『ドストエーフスキイ全集9 悪霊 上』(1970年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)のP005-P024

悪霊 Бесы ドストエーフスキイ 米川正夫訳 - 【テキスト中に現れる記号について】《》:ルビ (例)曠野《あらの》|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)二|節《せつ》[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (数字は、JIS X 0…

『ドストエーフスキイ全集6 罪と罰』(1969年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)のP529-P544

エピローグ 1 シベリヤ。茫漠《ぼうばく》たる大河の岸に、ロシヤの行政中心の一つとなっている市街がある。町には要塞《ようさい》があり、要塞の中に監獄《かんごく》がある。監獄の中にはもう九か月というもの、第二級徒刑囚ロジオン・ラスコーリニコフ…

『ドストエーフスキイ全集6 罪と罰』(1969年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)のP505-P528

るように、ときどきしくしく泣いていた。娘の顔は青白く、やせこけて、寒さめのためにこちこちしていた。だが、『どうしてこんなところへ来たんだろう? きっとここへ隠れこんで、ひと晩じゅう寝なかったにちがいない』彼はいろいろ娘に問いかけた。娘は急に…